この記事では、ビーズ刺繍の作り方や作品について詳しく解説していきます。
手刺繍やミシン刺繍をやっているうちに、ビーズ刺繍を目にすることがあるでしょう。
華やかなビーズ刺繍は、刺繍の中でも高級感があり、憧れのジャンルです。
一見難しそうに見えるビーズ刺繍ですが、本格的な対策から、ワンポイントにビーズを取り入れる初心者向けの作品まで色々あります。
いつもの刺繍のアクセントにぜひビーズを取り入れてみましょう♪
刺繍でビーズを!どんな手法なの?
ビーズ刺繍と一言で言っても、その作品の種類には色々あります。
ここでは、ビーズ刺繍についてどんな手法があるのかを説明していきます。
ビーズ刺繍の定義は、以下の通りです。
ビーズ刺繍とは、ビーズやスパンコールに糸を通して針で布に刺していき図案を作り上げることです。
昔からビーズ刺繍はハンドメイド好きの中でも人気なジャンルです。
特に細かい作業が好きなあなたや、華やかで派手な作品が好きなあなたにオススメです。
- 大手手芸用品店でもかなりの種類が取り扱われていて少量から購入できる上に、必要な道具も高価な物がない。
- 大きな作業スペースや専用の機械は必要ないので、自宅でも作業しやすい。
- ビーズの色や形を変えるだけで簡単な図案でも個性を表現しやすい。
これらの特徴をみても、趣味として始めやすいハンドメイドです。
難易度も様々ですが、初心者レベルでも立体感や高級感は十分出せるので、プチギフトにもいいですね♪
最近たくさんの教室が開催されているのがオートクチュール刺繍(リュネビル刺繍)です。
ビーズ刺繍の一種ですが、通常のビーズ刺繍は針と糸で刺繍していくのに比べ、特殊なかぎ針を使ってビーズやスパコールを縫い付けていく難易度の高いビーズ刺繍です。
写真引用:小さな手芸屋さん
1800年代に生まれたと言われているオートクチュール刺繍は、ヨーロッパで始まりました。
オートクチュール刺繍とは、 シャネルやディオール、サンローランのオートクチュール(高級仕立て服)を手がけるアトリエで長い間培われて来たフランス伝統の刺繍のひとつです。
クロシェという特殊なかぎ針を使って、たくさんのビーズやスパンコールを生地の裏側から刺繍する独特の手法(リュネヴィル刺繍)が用いられます。
このリュネヴィル刺繍という手法は、1800年代のフランス、リュネヴィルという街で発祥しました。
それ以来、通常の針を使ってビーズなどを刺繍するよりも速く・正確に刺すことが可能になり、素晴らしい刺繍が施されたドレスがたくさん生み出されています。
オートクチュールという高級モードの最高峰の世界で、いつの時代も最先端を求めるデザイナーの要求に応える為、
様々なテクニックや表現方法が熟練の職人によって育まれてきました。
ファッションの進化とともに発展してきたオートクチュール刺繍。
ため息がでるほど豪華な刺繍を可能にした、デザイナーの冒険心と好奇心、職人の技術と魂が宿る世界でもあります。
引用:小さな手芸屋さん
オートクチュール刺繍(リュネビル刺繍)はビーズ刺繍の中でも難易度が高いので、まずは針と糸で刺していくビーズ刺繍をしてみて、ビーズやスパンコールの扱い方に慣れていきましょう。
オートクチュール刺繍ができるようになると、表現の幅も広くなって素敵な作品がどんどん作れるようになるよ。
ビーズ刺繍の作り方は?ポイントとは?
オートクチュール刺繍をいきなり始めるのはハードルが高いので、まずは針糸でビーズを布に刺していくビーズ刺繍に挑戦してみましょう。
ここでは、ビーズ刺繍に必要な物や作る時のポイントなどを紹介してきます。
ビーズ刺繍ってどんなものが必要なの?
先ほどビーズ刺繍には高価な道具は必要ないと説明しましたが、具体的にはどのようなものが必要なのでしょうか?
ここでは、ビーズ刺繍に必要な道具や材料について紹介していきます。
- ビーズ用針
- ビーズ刺繍用糸
- チャコペーパー・チャコペン
- 刺繍用ハサミ(ニッパー)
- ビーズ
以上がビーズ刺繍を始める時に必要なものです。
全て小さく比較的安く手に入れられる物ばかりですよね♪
作る作品によって、これらの他に生地やアクセサリー金具が必要になります。
布小物に刺繍する場合はもちろん生地が必要になりますし、アクセサリーにする場合は土台としてフェルトが必要になります。
その他にもボンドやアクセサリー金具は必要に応じて揃えましょう。
では、それぞれ選ぶ時のポイントを説明していきます。
【必見!】ビーズ用刺繍針選びのポイントは?
ビーズ本体には大小色々なサイズがありますが、実はビーズの穴のサイズも様々です。
ほとんどのビーズの穴はかなり小さい物が多く、普通の刺繍糸は通らないことが多いです。
ビーズ刺繍には細い専用の刺繍針を使うようにしましょう。
ただし、大きなビーズを使う場合には普通の刺繍針を使える可能性もあります。
【必読】ビーズ刺繍用糸選びのポイントは?
先ほどの糸と同様、糸も専用の細い刺繍糸を使うようにしましょう。
ビーズ刺繍はビーズの穴を糸が何度も通るので、丈夫で寄られていないビーズ刺繍用糸を使う必要があります。
普通の刺繍糸を使うと、途中で切れてしまう可能性があります^^;
オススメはナイロン100%の糸です。
滑りがよくて丈夫なのでビーズ刺繍にはぴったりです。
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チャコペーパーやチャコペン選びのポイントは?
こちらは普通の手刺繍をする時と同じもので構いません。
図案を生地に写すために使います。
ただし、図案を写す素材によって、チャコペーパー・チャコペンを使い分ける必要がありますので、できるだけ両方そろえておきましょう。
https://handmeid.tokyo/embroidery-cloth-transcription
刺繍用ハサミ選びのポイントは?
刺繍の中でも細かい作業が多いビーズ刺繍の場合には、通常の糸切りハサミではなく、細かい部分も切りやすい刺繍用ハサミを使いましょう。
刺繍用ハサミを使うことで、無駄な部分を切ってしまうことがなくなります。
また、ビーズ刺繍のアクセサリーを作る場合には、糸の変わりにワイヤーを使うこともあります。
その場合は、刺繍用ハサミで切ってしまうとすぐに刃こぼれしてしまうので、ニッパーも用意するようにしましょう。
ビーズの種類と選び方のポイントは?
最近では比較的安い値段で様々なビーズを買うことができます。
一番多いのはガラス製やプラスチック製ですが、その他にも貝殻や真珠、木、天然石でできているものもあります。
ここで、一般的なビーズの形を紹介していきます。
シードビーズ
写真引用:PARTS CLUB
その名の通り、シード(SEED=種)の形をしたビーズのことです。
一番種類が豊富なビーズで、サイズや色も多種多様です。
シリンダービーズ
写真引用:PARTS CLUB
シードビーズの一種ですが、一般のシードビーズと比較すると穴が大きく厚みもあり、円柱型をしています。
形が整っているため、ビーズ刺繍で使うと表面が平らで滑らかに仕上がります。
デリカビーズというビーズもありますが、こちらはシードビーズメーカーの大手・MIYUKI製のシリンダービーズのことです。
デリカビーズはシリンダービーズの中でも最高級品とされていてファンが多いです。
MIYUKIのビーズについてはこちらをご覧ください。
竹ビーズ
写真引用:PARTS CLUB
竹のように細長いビーズのことで、その中でもねじれたデザインのビーズはツイストビーズと呼ばれています。
写真引用:PARTS CLUB
ドロップビーズ
写真引用:PARTS CLUB
しずくのような形をしたビーズで、今まで紹介したビーズと違って穴は片側に寄っています。
また、穴の向きが横向きと縦向きがあり、どちらを使うかによって見え方が変わってきます。
スワロフスキー(クリスタル)
写真引用:PARTS CLUB
今まで紹介したビーズに加えて、色々な素材や形のビーズがあります。
その中でも人気なのが、スワロフスキー(クリスタル)です。
スワロフスキー社(Swarovski)は、1895年に創業者ダニエル・スワロフスキー(Daniel Swarovski)によって、クリスタルガラス製造会社としてオーストリアにて創立され、現在チロル州ワッテンに本社を置いています。
ヴェルサイユ宮殿やオペラ劇場のシャンデリアパーツなども手がけ、オーストリアを代表するクリスタル・ガラスブランドとなっています。
引用:デコダリア
スワロフスキーのクリスタルをポイントでデザインに取り入れるだけで豪華な印象になります。
スパンコール
写真引用:小さな手芸屋さん
スパンコールは平たい形をしたビーズで、洋服の装飾にもよく使われます。
角度によって色合いが変わって見えるのが特徴で、オートクチュール刺繍にはよく使われる素材です。
花びらなどを表現するには便利な素材です。
その他の素材ビーズ
個性的な作品に仕上げたい時には、ガラスやプラスチックのビーズに加えて、変わった素材のビーズを取り入れてみましょう。
パールビーズやウッドビーズ、天然石ビーズがその代表格です。
写真引用:PARTS CLUB
パールビーズは本物のパールだけではなく、イミテーションパール(プラスチック製・ガラス製・コットン製)など種類も豊富です。
写真引用:貴和製作所
ウッドビーズは華やかな作品というよりも、個性を重視したワイルドな作品にぴったりです。
写真引用:PARTS CLUB
天然石ビーズは少々高いですが、思いを込めた作品に取り入れてみてもいいですね♪
- 作品のイメージ図(図案)を描いてから材料をリストアップする。
- 色数は欲張らず、ビーズの形や大きさで変化をつけるとうまくまとまる。
- 形や大きさの種類を複数にすると凝った印象に仕上がる。
- 欠陥品があることも多いので、たくさん使うビーズは最低10%多めに買っておく。
ビーズ刺繍は他の刺繍と比べてもイメージ図(図案)がかなり重要になります。
材料をリストアップするにも使いますし、刺繍している時もこまめに確認して材料を切り替えていきます。
最近はビーズ刺繍がブームということもあり、ビーズ刺繍の図案集も販売されていますので、初心者はそちらを参考にしてビーズ刺繍を楽しみましょう。
また、ビーズ売り場に行くとキラキラときれいなビーズがたくさん並んでいるので、ついつい欲張って買ってしまいがちです。
しかし、ビーズ刺繍の場合は色数をたくさん盛り込んでしまうと、派手すぎる作品に仕上がってしまうためその辺の調整も必要です☆
品良くきれいにまとめるには、ビーズの色は2~3色に留めて、形状や大きさで変化をつけましょう。
材料の数を把握して買う時も注意が必要です。
細かいビーズ、特に量産品はビーズ同士がくっついていたり、サイズがまばらな不良品が混ざっている場合があります。
ぎりぎりの量でビーズを揃えると、足りなくなってしまうこともあります。
材料を買い揃えたら、一度小皿などに出して、不良品や形が悪いものを取り除きましょう。
そうすることで、より滑らかで均一に仕上がります。
このように、ビーズを買うと言っても知っておきたい知識やポイントがいくつかあります。
好きなビーズを好きなだけ盛り込みたくなってしまいますが、特に初心者はその気持ちをぐっとこらえて、しっかりと吟味してビーズを選ぶようにしましょう!
ビーズ刺繍の基本的な方法!これを覚えなくては始まらない☆
ビーズ刺繍にも色々な手法がありますが、ここでは基本的な方法を紹介していきます。
ビーズ刺繍の基本ステップ
① ビーズ刺繍を入れたい生地に図案を書きます。
ブローチなどのアクセサリーを作りたい場合はフェルトを土台にします。
② イメージと合うビーズを準備します。
③ 刺し始めの位置に返し針を2回刺します。
④好みのステッチをしていきます。
ビーズ刺繍の基本ステッチがとてもよくまとまっている動画を紹介します。
こちらの動画で紹介されているステッチを覚えるだけで色々な作品を作ることができます。
https://youtu.be/Y0rF-YGj6M8
その他のステッチでよく使うものは?
ここまでは比較的小さなビーズをつける方法でしたが、やはりメインとなるような大きなビーズも取り入れたいですよね?
そこで、次に動画で紹介されていない大きめのビーズを単体でつける方法を紹介します。
① ビーズをつけたい位置にビーズで隠れるサイズで返し針を2回入れます。
② ビーズをつけたい位置の少し横に裏から針を刺します。
ビーズの中心位置よりも、(ビーズの半径)ー1mm程度横に針を刺します。
細かいビーズの場合はビーズ位置ぴったりに、直径1cm以上の大振りなビーズの場合はー2mm針を刺す位置をずらします。
そうすることで、ビーズをつけた時に糸が見えにくくなりきれいに仕上がります。
③ ビーズの穴に針を通して、ビーズを布にピタッと付くように寝かします。
寝かした状態で、ビーズの直径より少し内側に針を刺します。
糸を裏側に引っ張る時に強く引っ張りすぎるとビーズの穴が上を向いてしまい格好悪くなります。
ゆるすぎずきつすぎないようにしましょう。
④ ②・③を再度繰り返します。
二重に糸を通すことで、糸が切れてビーズが取れる心配が少なくなります。
2周目にビーズの穴に糸を通し、裏に向けて針を刺す時は、軽く糸を抑えながら刺しましょう。
そうするときれいに刺せます。
⑤ これでビーズの取り付けが完了です♪
スパンコールのつけ方はビーズとは少し異なります。
よくまとまった動画がありますので、こちらを参考にしてください。
今回紹介したステッチを一通りマスターすれば、大作でもブローチなどのアクセサリー用作品でも作ることができます。
ビーズ刺繍の作品は?素敵なものを紹介
基本のステッチは理解でいましたか?
ビーズ刺繍は複雑そうに見えますが、基本のステッチの繰り返しで作品を作ることができます。
ここでは、素敵なビーズ刺繍の作品で特徴的な物をいくつか紹介していきます。
上級の作品というよりも、初級から中級の作品を選びましたので、基本のステッチをマスターすれば真似することもできちゃいます!
ぜひお気に入りのアイデアを見つけてください♪
リボンと組み合わせればボリュームのある凝ったデザインに☆
写真引用:creema
こちらはビーズ刺繍にレースリボンを加えたり、リボン刺繍と組み合わせたりの盛りだくさんな作品です。
ビーズだけだと固い印象になりがちですが、生成りのレースリボンを加えるだけで優しい印象になりますね♪
リボン刺繍は難しくても、リボンそのものを部分的に縫い付けるだけなら真似しやすいアイデアです。
一種類のビーズで品良くまとめる♪
写真引用:creema
色々な色形のビーズを盛り込むのもいいですが、潔く一種類のビーズだけを使うとこんなに品良くまとまります。
パールはもちろん、シードビーズなどでも同様です。
あまり考えずに同じ作業を繰り返すだけでできるので、初心者には嬉しいアイデアですね。
色味を揃えてシックにしあげてみる
写真引用:creema
こちらは図案自体はハートととてもシンプルですが、色々な形のビーズをランダムに配置することでとてもおしゃれな印象の作品に仕上がっています。
このように、シンプルな図案でも同系色の形や大きさの異なるビーズを置くだけで、立派な作品になります。
絵を描くようにビーズをあしらう
写真引用:creema
こちらは色数は多いですが、ビーズのサイズや形状を揃えることで一体感がでています。
派手やかな雰囲気が好きなあなたにオススメです。
写真のような図案なら普通の手刺繍の図案も使うことができるので、好きなイラストやイニシャルをビーズで表現してもいいですね♪
手刺繍と組み合わせるとぐんと表現の幅が広がる!?
写真引用:creema
手刺繍とビーズ刺繍をうまく組み合わせるといつもの刺繍もぐんとグレードアップして見えます。
写真のように、お花を表現する時に使っても素敵ですね♡
手刺繍だけでは表現しきれなかった表情をビーズが加えてくれます。
今回のまとめ
今回は、ビーズ刺繍の作り方や作品について詳しく解説してきました。
ビーズといってもその種類はたくさんあり、形状も様々です。
難しそうに感じるビーズ刺繍も、基本のステッチを抑えてしまえば色々な作品を作ることができます。
また、手刺繍やリボン刺繍と組み合わせると、凝ったビーズ刺繍でなくても華やかになります。
他のハンドメイドと比べても、材料の種類が豊富で個性を出しやすいのがビーズ刺繍です。
ぜひあなたもビーズ刺繍に挑戦して、お友達やご家族があっと驚くような作品を作ってみましょう♪
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