この記事では、レース刺繍についての基礎的な知識と、やり方のポイント、素敵な作品について紹介していきます。
レースって、洋服や小物に少し取り入れられているだけで、ぐんとおしゃれで上品になりますよね。
でも、ハンドメイド作品にレースを使いたいと思っても、レース素材は購入すると値段がはってしまいます。
また、本格的なレース編みはかなり上級者向けで、気軽にトライすることは難しいです。
そこで、レースが好き!!作ってみたい!!というあなたにオススメなのがレース刺繍です。
基礎さえ抑えれば、時間はかかりますがオリジナルのレースが作れちゃいますよ♪
いつもの手刺繍やミシン刺繍とは角度を変えて、ぜひ一度挑戦してみてください。
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刺繍でレースを?どんな手法なの?
刺繍レースって、知っている言葉の組み合わせですが、一体どんな物なのでしょうか?
ここでは、レースの種類からレース刺繍とはどんなものなのかを解説していきます。
そもそもレースと一言で言っても、その種類にはいくつかあります。
大きく下の4種類に分類することができます。
- リバーレース
- ラッセルレース
- トーションレース
- エンブロイダリーレース
エンブロイダリーレースと呼ばれるレースがいわゆる「刺繍レース」です。
では、それぞれ説明していきます。
リバーレースとは?
写真引用:レースのお店 ななか
リバーレースとは、とても細い糸をよって(何本かの糸をまとめてねじって1本にまつめる)作ります。
作るのに時間がかかるため、とても高級品でウエディングドレスなどに使われます。
ごく細い糸をいろいろな模様に撚り合わせて編まれているため、繊細で優美な表情なのが特徴です。細い糸を数多く使用し複雑な組織をつくる上に機械の速度も遅いため高価なレースです。
19世紀の初めにイギリスのジョン・リバーが開発したことからこの名が付けられました。
ラッセルレースとは?
写真引用:Material Box
ラッセルレースとは、簡単に言うと糸を編んで作られたレースのことです。
リバーレースに雰囲気は似ていますが、機械で早く作ることができるため安価で手に入れることができます。
ラッセルレース編機という経編機で作られたレースのこと。
編みながら柄を出していて薄く平らに仕上がるのが特徴です。
リバーレースに比べ速いスピードで編まれるため、比較的安価です。
トーションレースとは?
写真引用:レースのお店 ななか
トーションレースは糸を組んで作るレースです。
テープ状に編み上げていくので、大きいものでも幅20cm程度までというのが特徴です。
素材も綿・麻・シルクなどの天然素材から、ポリエステルやレーヨンなどの化学繊維でも作ることができます。
とても安価なので、色々なハンドメイド作品に取り入れやすいレース素材です。
中世ヨーロッパの王侯貴族の間で襟や袖飾りに着飾ったボビンレースを機械化したもの。太い麻糸や木綿糸で編まれているものが多く、粗い編目になっています。
エンブロイダリーレースとは?
エンプロイダリーレースが一般的に「刺繍レース」と呼ばれるものです。
透けるように薄い生地に、ミシンや手刺繍をほどこします。
刺繍をした後に土台になった生地が残っているものをチュールレースや綿レースと呼び、生地を溶かし落としてしまい刺繍部分だけ残ったものをケミカルレースといいます。
チュールレース
写真引用:Antique Lille
チュールレースは、とても薄い生地に刺繍をするので、可憐で華やかな印象です。
エレガントかつ軽やかな素材感と透け感があって美しいため、ベールやドレス等に良く使用され、ウェディングファッションでは、人気の要素である。
透け感が強いので、多くは、幾重に重ねたり、他の生地と合わせたりして使用する。
引用:モダリーナ
「チュール」とは、多角形の網目をもつレース地の一種の事を言います。
特にウェディングのベールやドレスなどに使われる「亀甲目(きっこうめ)」と言われる六角形の網目で構成されているネットが一般的。
(中略)
「チュール」は本来、絹製品ですが、現在では綿、アセテート、ナイロンやポリエステルなどでも生産されています。
最近は特にナイロン製のチュールが多く作られています。”
写真・文章引用:フジタケ
綿レース
写真引用:繊研新聞
綿の生地に刺繍をしたレースです。
刺繍をしてから部分的にキリで穴を開けるものが代表的です。
華やか過ぎず温かみのある風合いなので、洋服やハンカチなどの小物の全体的に使っても可愛らしいです。
綿生地に上から刺繍をかけたもの。エンブロイダリーレースが作られた当初、基布は綿素材が主流でしたが現在はさまざまな素材に刺繍がされているため、各種素材の布帛、ニット生地に上から刺繍をかけたものは総称して生地ものレースとよばれています。
ケミカルレース
写真引用:Kuboriki
ケミカルレースとは、刺繍をした布を溶かしてしまい刺繍糸部分のみ残したレースのことです。
刺繍部分が立体的に浮き上がり、高級感があります。
その名称から、エコやオーガニック志向のブランドに敬遠されることが少なくないというケミカルレース。
ケミカルといわれる由縁は、開発当初の製法から。
昔はシルクや綿で作った基布に刺繍し、薬品で基布を溶かしていました。
現在の基布は水溶性ビニロンなどで、溶剤は水。残った刺繍にも化学の要素はありません!
(中略)
安価なイメージをもたれがちですが、実はエンブロイダリーレースの中で一番価格が高いのです。
引用:繊研新聞
レース刺繍のやり方は?ポイントとは?
レースについて色々と解説してきましたが、では自宅でチャレンジできる刺繍レースはあるのでしょうか?
ここでは、自宅で手刺繍でもできる刺繍レースについて紹介していきます。
今回は、刺繍レースの中でも比較的簡単なカットワーク刺繍について解説していきますね♪
とても難しそうに感じる刺繍レースも、根気と根性さえあれば(笑)あなたにもきっとできますよ!
カットワーク刺繍とは?
写真引用:Creema
カットワーク刺繍とは、生地にミシン刺繍や手刺繍をしたあとに、部分的に生地を切り取る方法です。
レース刺繍におけるカットワークとは、周りが刺繍糸で囲まれた部分を刺繍ハサミで切り取り、穴にすることを言います。
必要な材料や道具は?
では、カットワーク刺繍に必要な材料や道具を説明しましょう。
- 生地
- 刺繍糸
- 刺繍針
- 刺繍枠
- 刺繍はさみ
揃えやすい材料や道具ばかりですが、材料や道具選びにいくつかポイントがあります。
生地選びのポイント
生地選びのポイントは、できるだけ目の詰まった生地を選ぶということです。
生地は、綿100%やリネンなど丈夫で目の詰まった生地を選びましょう。
どうしても細かい間隔で刺繍をしていくので、目が粗かったり繊細な生地を使ってしまうと生地が裂けてしまいます。
ただし、厚手の生地を選んでしまうと、後から布を部分的に切り取る時に細かい作業がしづらくなってしまいます。
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刺繍糸選びのポイント
次に刺繍糸選びですが、初心者の場合は刺繍糸はできるだけ生地の色と同じ糸を選びましょう。
生地と同じ色を選ぶことで、仕上がりがシンプルに仕上がる他に、ステッチが少々うまくいかなくても目立たないという効果があります。
刺繍糸は100均で売っているようなものでも十分ですが、生地に色が付いている場合は手芸店等でできるだけ同じ色の刺繍糸を見つけましょう。
使う生地を持って行って店員さんに相談すれば、ピタッと同じ色の刺繍糸を見つけてくれることが多いですよ♪
刺繍針選びのポイント
使う刺繍針にも注意が必要です。
できるだけ細い刺繍針を使いましょう。
密にステッチすることができ、仕上がりもきれいになります。
クロスステッチ用の針は絶対に使わないでください!
クロスステッチ用の針は針先が尖っていないので、細かいステッチが刺しづらいですし、生地を傷めてしまいます。
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刺繍ハサミ選びのポイント
実は、刺繍ハサミという刺繍用のハサミが売られています。
刃先が尖っていて、細かい部分の糸や生地を切るのに適しています。
通常の糸切りハサミなどでは、細かい部分の生地を上手く切り取ることはできません。
通常手刺繍をする場合には特に必要ありませんが、カットワーク刺繍をする場合にはぜひ揃えておきましょう。
カットワーク刺繍のやり方は?
写真引用:Creema
カットワーク刺繍で使うステッチはたったの2種類だけです。
- ランニングステッチ
- ボタンホールステッチ
この2種類のステッチをマスターすれば、カットワーク刺繍ができてしまうのです。
ぞれぞれそれほど難易度は高くないステッチです。
刺繍初心者でもコツさえつかめば淡々と刺していくことができます。
では、やり方を具体的に説明していきましょう♪
① 図案を生地に写します。
写真で使用している生地は綿100%のリネン生地です。
先ほども説明した通り、目の詰まった厚すぎない生地を選びましょう。
今回は分かりやすいように、生地と刺繍糸の色を合わせていません!!
② 下絵を元に、ランニングステッチで2行刺繍します。
今回は、#7の刺繍針を使って、刺繍糸2本取りで刺しています。
刺し始めと刺し終わりは玉結びをしない方がうまく仕上がります。
図案の近くで大きめに2~3針ランニングステッチをしましょう。
ランニングステッチ2本の幅は2~3mm程度にしましょう。
幅を広くしすぎると、後から刺すボタンホールステッチの幅も広くなりきれいにしあがりません。
③ ランニングステッチ2本のギリギリ外側の幅でボタンホールステッチします。
この時、ボタンホールステッチの間に隙間ができないようにステッチします。
今回は分かりやすいように生地と刺繍糸の色を変えてステッチしました。
すると、写真のように、ステッチの隙間やズレが目立ってしまいます。
④ 表裏の余った糸と刺繍糸で囲った内側の布を切り取ります。
この時に間違ってステッチを切ってしまわないようにしましょう。
⑤アイロンで刺繍枠の跡をとって、刺繍糸で囲まれた内側をハサミで切り取って出来上がりです♪
今回は、道具の準備から完成まで約2時間もかかりました…。
慣れればもっと早くできると思いますが、たったこれだけの図案でかなり時間がかかったので、大きなモチーフになるとかなり根気が必要です。
今回手刺繍の方法を紹介したカットワークステッチや、ケミカルレース、チュールレース・綿レースは刺繍ミシンがあれば簡単に作ることができます。
生地にミシン刺繍をして、生地を溶かしたり、切り取ったりするなど…手刺繍で刺すのと基本的には同じ工程です。
レース用のデザインデータも販売されていますので、刺繍ミシンをお持ちの場合はぜひ試してみてください。
レース刺繍の写真は?素敵なものを紹介!
ここまではレースについてや手刺繍でレースを作る方法を詳しく紹介してきましたが、ここでは具体的に素敵なレース刺繍の作品を紹介していきます。
あなたも作品づくりの参考にしてくださいね♪
レースをアクセサリーにアレンジ♪
写真引用:minne
最近では手作りはもちろん、販売されているアクセサリーでも刺繍をあしらった物をよく見かけます。
色や形を無限にアレンジできるので、洋服とコーディネートする時にも大活躍ですよね!
写真のピアスはミシン刺繍で作ったチュールレースです。
作ったモチーフの外周の布を切り取って、ピアス金具をつけています。
カットワーク刺繍は総柄でも重くない!?
写真引用:creema
カットワーク刺繍の特徴は、適度な透け感です。
総柄でもスケスケにならず、濃い色でも軽やかな印象に仕上がります。
そして何より、個性的なデザインになり素敵ですよね♪
太い糸でボリュームを持たせた刺繍レース☆
写真引用:Creema
レースというと繊細なイメージが強いですが、あえて太い糸で刺繍したレースもほっこりして可愛いです。
また、手刺繍でやってもステッチの数が少なく、粗も目立ちにくくて初心者にもオススメです。
透けない生地にレース刺繍してもかわいい!
写真引用:minnne
薄い生地に刺すことの多いレース刺繍ですが、しっかりと分厚い生地に刺繍モチーフを刺繍しても素敵なんです。
丈夫な上に、レースの持つ華やかさがプラスされてオリジナリティある作品に仕上がりますよ♪
写真のカバンも、レースのような繊細なデザインのイニシャルを刺繍するだけで高級感がでています。
今回のまとめ
今回は、レース刺繍についての基礎的な知識と、やり方のポイント、素敵な作品について紹介してきました。
色や手法を変えるだけで様々な印象を与えてくれるレース刺繍は、個性的な作品を作りたい時には大活躍します。
刺繍ミシンではもちろん、手刺繍でも作れるレースはあります。
細かくて時間のかかる作業ですが、出来上がった時の達成感は大きいです!
また、最近は洋服やバッグなどに留まらず、アクセサリーでもレースを取り入れるのが流行っています。
自分のためでも、プチギフトでも素敵で可憐な小物に仕上がります。
ぜひあなたもチャレンジしてみてくださいね☆
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