この記事では、刺繍台とはどんなものなのか、その使い方やオススメ商品について、さらには刺繍台の代用アイデアも紹介していきます。
刺繍台ってあまり聞き馴染みのない言葉ですが、持っているととても便利な刺繍の道具です。
刺繍初心者もそうでないあなたも、刺繍をする手を少し止めてぜひ読んでみてください。
あなたの刺繍に関する知識が広がりますよ♪
刺繍台とは?どんなもの?
刺繍をしていると、なんだかやりにくさを感じる時がありませんか?
ワンポイント刺繍のような小さな図案であれば、普通の刺繍枠で簡単に仕上げることができますが、モチーフ図案が大きくなればなるほど、刺繍枠では作業が難しくなってきます。
ここでは、刺繍台とはどんなものなのかについて詳しく解説していきます。
写真引用:Apollon 刺繍台”ウルド”
元々は日本刺繍やオートクチュール刺繍のための道具として生み出されました。
日本刺繍やオートクチュール刺繍は、右手・左手の両方を使わなくてはいけないため、布を張った刺繍枠を手で支えることができないからです。
枠自体にテーブル脚のようなパーツがついているため、刺繍を刺す布を枠にはめてしまえば、両手があきます。
どの刺繍台も、基本的には四角い枠(フレーム)と脚付き台座もしくはスタンドで構成されています。
刺繍台を使うことで、繊細な図案でも正確に針を刺すことができますし、大きな作品の場合でも小まめに布を刺繍枠に貼り直す必要がなくなります。
日本刺繍やオートクチュール刺繍でよく使われる絹(シルク)の布地は、とてもシワがつきやすいので従来の刺繍枠だと枠の跡がたくさんついてしまいます。
現在では、日本刺繍やオートクチュール刺繍に限らず、大判の作品を仕上げる時に使われています。
刺繍台の使い方は?
刺繍台って刺繍を極めたい場合は憧れの道具ですよね。
では、ここでは刺繍台を使う前に気をつけることや、具体的な使い方について紹介していきます。
刺繍台を使い始める前に気をつけること!
刺繍台を準備して、素敵な図案と素敵な布地が揃ったら、すぐに刺繍してみたくなりますよね?
でも、その前に必ずしておかなければいけないことがあります。
それは、地直しです。
機械で織られた布でも、店頭に陳列しているうちに気温や湿度によって歪みが出てきてしまいます。
また、麻や綿の糸を使った布はだんだん縮んできてしまいます。
そういった布を「地直し」という作業で縦糸・横糸を整えて、歪みのない状態に戻してあげます。
そうすることで、完成した作品の歪みや縮みを未然に防ぐことができるのです。
では、地直しの方法を紹介します。
1.布の裁ち端(=切り端)を少し切ります。
お店でカットしてもらったラインはまっすぐではありません。
端から少しカットして、切り口から横糸を引き出しましょう。
端から端まで横糸が一本きれいに引き抜けるまで、少しずつ端からカットしていきます。
横糸が一本引き抜けたら、残った縦糸をカットしたら切れ端がまっすぐになります。
画像引用:mametto
2.布を水に浸します。
しっかりと糸の一本一本に水が染み渡るよう、3~4時間程度布全体を水に浸します。
これを、水通しといいます。
この工程は、出荷時に付けられたノリをとる目的と、作品が完成したあとの縮みを防ぐ役割があります。
水通しをしなくてはいけない生地としなくても生地があります。
天然素材である綿・麻などは濡れると縮むので水通しが必要ですが、ポリエステルなどの化学繊維は縮まないので水通しは必要ありません。
天然素材と化学繊維の混合生地の場合は、念の為水通しすることをオススメします。
3.洗濯機などで軽く脱水します。
この時に綿(コットン)は通常の脱水コースでも構いませんが、麻や絹などの場合はシワになりやすいので、ソフト脱水コースなどを利用しましょう。
脱水の具合は、水がポタポタと落ちない程度で十分です。
4.陰干して乾かします。
大きな(長い)布の場合は、物干し竿に普通にかけてしまうと自重で布が伸びてしまいます。
複数の物干し竿にかけて、竿と接する部分の負担を軽くするか、平置きできる場合は平置きして乾かしましょう。
その場合、イラストのように布を引っ張ることで、さらに布の角が直角になります。
画像引用:mametto
時間がもったいない!と、びしょ濡れの状態でアイロンを当てて乾かしてはいけません。
アイロンをかけることでせっかく整えた布がまた歪んでしまうからです。
5.最後にアイロンで布の形状を定着させます。
陰干しまでの工程でだいぶ歪みは取れますが、最後にアイロンで微調整をします。
角に直角定規などを当てて、細かい歪みがないか確認します。
最後にアイロンをかけることで、しっかりと湿気を取ることができ、また歪みのない状態をキープすることができます。
画像引用:mametto
時間のかかる地味な作業ですが、地直し(水通し)の作業を省いてしまうと、せっかく完成した作品を一度洗濯しただけで全然違う形になってしまった…なんてことが起こってしまいます。
刺繍台で刺繍を楽しむ前に、この作業は必ずしておきましょう。
いざ刺繍台を使ってみよう!
刺繍台の仕組みはいたってシンプルです。
基本的にはどの商品も布のセット方法は同じです。
1.水平な場所に枠を置き、布を枠の上に置きます。
枠をテーブルなどの平らで水平なところに置きます。
その時に枠部分の溝が彫ってある側を上に向けましょう。
ガタガタしたところの上に置くと、布を正しくセットできません。
枠を置いた上から、枠より大きい布を被せます。
刺繍をしたい部分が枠内に収まっていることをきちんと確認しましょう。
2.枠に布を固定します。
こちらの作業は枠のタイプによって方法が異なりますが、金具で締めるものや、溝にゴムを押し込むもの、枠が二重になっているものなどがあります。
布が少しでもたるんだり歪んでしまったら、少しずつ調整していきます。
3.脚付き台座やスタンドにセットして、布のセッティング完了です♪
枠の表・裏両面でセットできる物もありますので、布の表からでも裏からでも刺繍を刺すことができます。
こちらの商品は写真付きの説明書がダウンロードできますので、刺繍台の使い方をもっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
刺繍台を使う時の最大のポイントは、布のセッティングを正しくすることです。
たるみや歪みが完全になくなるまで、何度でも張り直しましょう!
刺繍台の販売は?どこでいくらくらいで買える?
便利な刺繍台ですが、どこでいくらくらいで買えるのでしょうか?
ここでは、刺繍台の購入先や値段について紹介していきます。
刺繍台は、手芸用品としては大型のもので、さらにはとても限定的な道具です。
なので、大手手芸用品店でも取り扱いがあるとは限りません。
購入を考えている人は、日本刺繍やオートクチュール刺繍の材料や道具を取り扱っているお店に問い合わせてみましょう。
オススメの専門店はこちらです♪
color bucket (オートクチュール刺繍用品専門店)
道具はもちろん、ここでしか出会えないような素敵なオートクチュール刺繍の材料がたくさんあります。
実物を見てみたい人は販売店に問い合わせる必要がありますが、実はAmazonや楽天でも刺繍台は購入できます。
オススメの刺繍台はこちらです。
写真引用:Apollon ”Urd”
こちらの商品は、定価45,000円(税別)の商品です。
同じシリーズで小さい物もありますが、それも定価43,000円(税別)となかなか高価です。
とても人気な商品で、販売と同時に即完売になってしまいます。
興味のある人はこまめに在庫を確認しましょう!
こんな刺繍台にお金は使えないよ~!というあなたもご安心を♪
もう少し手軽な刺繍台を見つけました。
エディ 刺繍台 (A4サイズ) 【刺繍枠+刺繍スタンド セット品】
手軽といっても20,000円以上するので、安い買い物ではありませんが…。
でも、大きな刺繍にたくさんチャレンジしたい時にはマストアイテムと言っても過言ではありません!
興味があるあなたは、ぜひ刺繍台の購入を積極的に検討してみてください♪
刺繍台を代用!何で出来る?
刺繍台ってなかなか高価で購入するのに悩んでしまいますよね?
そんなあなたに試してほしい刺繍台の代用アイデアを紹介します♪
もちろん、本物の刺繍台には敵いませんが、お金をかけずに刺繍を楽しみたい場合にはオススメです。
ワイヤーネット + ダブルクリップで作る簡単刺繍台
ちゃんとした刺繍台はとにかく高いです!
なので、とりあえず使い心地を確認するために、100均でも揃えられるもので代用してみましょう!
そんな場合にオススメなのが、ワイヤーネットとクリップを使う方法です。
必要なものは、ワイヤーネット・ネットを一部切るためのペンチ・クリップのみです!
写真引用:楽天 ワイヤーネット 48.5×37.5cm Bタイプ
写真引用:楽天 ソフトダブルクリップ
作り方はとても簡単です。
ワイヤーネットの中央部を10~15cm角程度切り取って穴を開けます。
そこに刺繍したい布をクリップで留めます。
あとは、本やブロックを2つ用意して、間に橋渡しするだけです。
ネットを切り取った切り口に布がひっかりやすいので、端切れなどを巻いて保護しましょう!
今回のまとめ
この記事では、刺繍台とはどんなものなのか、その使い方やオススメ商品について、さらには代用アイデアも紹介してきました。
刺繍好きでも使ったことのある人は少ない刺繍台ですが、上級者になればなるほど必須のアイテムになります。
大きな刺繍をきれいに仕上げたい人はぜひ使ってみましょう♪
刺繍初心者も、刺繍台を使うことによって、効率よく刺繍することができます。
実物を見る機会があったら、ぜひ試してみることをオススメします!
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