この記事では、刺繍の通信講座にはどんなものがあるのか、独学で刺繍を楽しむ方法、本で刺繍の基礎を学ぶポイントについて紹介していきます。
皆さんはどんな風に刺繍の勉強をしていますか?
最近は刺繍の関連書籍も多く出版されているので、本を読みながら自分で刺繍を楽しんでいる人も多いでしょう。
でも、刺繍の通信講座もここ近年どんどん増えています。
しっかり刺繍の基本から抑えておきたいあなた!ぜひ参考にしてください♪
刺繍の通信講座って?どういうもの?
刺繍の通信講座といっても、その達成目的によっていくつかの種類に分かれます。
今回は、刺繍の通信講座とはどんなものなのかについて説明していきます。
一口に「刺繍の通信講座」といっても、どういった事を目的にしているかによって大きく2つに分類する事ができます。
- 資格取得を目的とした講座
- 趣味として刺繍をスキルアップすることを目的とした講座
この2種類は同じ刺繍の通信講座といっても、内容は全く違います。
皆さんはどちらのタイプの講座をイメージしていますか?
では、それぞれ解説していきましょう。
資格取得を目的とする
これは、刺繍を仕事にしたいと考えている場合にオススメの講座です。
主催団体や講座内容によって取得できる資格は異なりますが、全ての過程を受講することで、修了時に資格そのもの、もしくは受験資格を得ることができます。
主な講座内容は、以下の通りです。
- 刺繍の基礎知識(刺繍の種類、道具や材料、構図や図案配置について等)
- 各種刺繍の知識(歴史、ステッチなどの技術について、作れるものについて等)
- 講座によっては、各過程で添削課題、修了時に卒業課題
資格取得に向けて、刺繍の知識と技法の両方を学ぶ必要があります。
資格を取得する人の多くはその後インストラクター等刺繍を教える立場となるため、趣味で楽しむ場合よりも、より詳しい知識が必要となるためです。
また、フランス刺繍・リボン刺繍・ビーズ刺繍・刺し子等、多岐に渡った刺繍をマスターしなくてはなりません。
よって、講座期間も最短2ヶ月〜6ヶ月ほどかかるものがほとんどで、費用も高額になります。
詳しい講座内容や習得できる資格については下記の記事で紹介しています。
趣味として刺繍をスキルアップする
先ほど説明した資格取得を目的とした講座とは、全く別物です。
こちらは、刺繍を趣味として楽しんでいる場合に、さらに技術を高めたい!かわいい作品を作りたい!等という目的で受講します。
では、具体的にはどんな講座があるのでしょうか?
実際開講されている通信講座を例に、内容等を紹介していきます。
刺繍の基本を自宅でしっかり学びたい
ステッチ100 本科通信講座
初心者向けの基本ステッチ32種と、リボン刺しゅうの技法を習得。
ステッチ 100本科コースでは「フランス刺しゅうI」「フランス刺しゅうII」「リボン刺しゅう」3つの作品を作ります。(中略)
本科コースでは、数百種類にも及ぶステッチの中から最もポピュラーな32種を使った作品を作ります。
本を読んで独学で刺繍の基本をマスターすることももちろん可能ですが、一人ではなかなか分からない場合は、こういった通信講座もあります。
こちらの講座はアプリからいつでも動画を見ることができたり、質問することもできます。
作品が完成したら、作品の写真を送り、その後講師からアドバイスが書き込まれた写真が戻ってくるシステムになっています。
動画付きのキットや書籍はたくさんありますが、自分の作品に関して先生のフィードバックをもらえるのはとても嬉しいですね。
自分の作品を客観的に見ることはなかなか難しいでの、プロの感想を聞くことは、スキルアップの大事な要素です。
人気刺繍作家の作品を作りたい
青木和子の刺しゅうレッスン〜ガーデンギャラリーへようこそ
庭からデザインされた刺しゅうは6点。まずはかんたんなステッチから刺し始めましょう。徐々にステップアップして、最後は「小さな庭」の刺しゅうが完成するレッスン内容になっています。作品に出てくるステッチは、DVDでも刺し方をくわしく解説しています。
引用:日本ヴォーグ社の通信講座 青木和子の刺しゅうレッスン 受講のながれ
人気刺繍作家のキットは色々と販売されていますが、刺繍初心者にとっては説明書を読むのも大変な作業ですよね。
でも、可愛くて素敵な人気刺繍作家の図案は絶対試してみたい!なんて時にこういった通信講座はオススメです。
ステッチの基本を素敵な図案で学ぶ事ができ、解説DVDも付いてくるので、分かりにくい部分も理解が早いです。
また、全ての教材が一括で送られてくるため、自分のペースで作品づくりを楽しみながらレベルアップすることができます。
こういった講座には作品の添削サービスはないことが多いです。
他の講座に比べてキットに近い講座となってしまいます。
特殊な刺繍技法を学びたい
オートクチュールビーズ刺繍ジュエリー
本講座では、シャネルやクリスチャン・ディオール、イヴ・サンローランなどのモード界の名立たるメゾンのオートクチュール・コレクションを支えているパリの伝統刺繍が息づく技法を学びます。
オートクチュール刺繍の中でも華やかなビーズ・スパンコール刺繍や糸刺繍、リボン刺繍、ゴールド刺繍などの歴史ある技法を系統立てたカリキュラムで、作品は全て身につけて楽しめる洗練されたジュエリーに仕立てます。
引用:オールアバウトライフワークス オンラインショップ 通信講座 オートクチュールビーズ刺繍ジュエリー
フランス刺繍等は関連書籍も多く発売されていますし、Youtubeなどでも解説動画をたくさん見ることができますが、特殊な刺繍だとそうもいきません。
教室に通う時間の余裕がない場合には、ぜひこういった通信講座を利用しましょう。
特殊な刺繍ほど初めに道具や材料を揃えるのは大変なので、通信講座を活用しましょう!
自分で揃えるのは大変なビーズ刺繍ですが、教材と一緒に材料一式も届くので、届いたその日からビーズ刺繍を学ぶこともできます。
ただ、こちらの講座は受講期限が15ヶ月と決められています。
(事前に相談すれば、受講期限を延長することもできます。)
着々とスキルを身につけたい人には、受講期限が決められているのもいいですね。
また、課題ごとに作品審査を受けて合否がでるので、確実に技術を習得することだできます。
刺繍の通信講座は、その達成目的によって様々な講座を選ぶことができます。
多くの通信講座では、自分だけで自宅などで勉強するのとは異なり、何らかの形で自分の作品を審査・評価してもらうことができます。
これは、教室に通う以外では通信講座でしか体験できません!
先ほども言いましたが、自分の作品を客観的に評価することは難しいですし、自分の作品がどのくらいのレベルにあるのかを把握することは難しいことです。
通信講座を利用すれば、自信にも繋がりますし、欠点や苦手な点にも気付くことができます。
これは、スキルアップするのに最も需要だと言っても過言ではありません。
教室に通う時間の余裕がないけれど刺繍技術を確実にレベルアップしたい場合には、是非通信講座を試してみましょう。
刺繍は独学できるの?
通信講座を利用すれば着実に刺繍をマスターできますが、では独学ではどうでしょうか?
通信講座には大なり小なりまとまったお金がかかってしまいます。
「そこまでお金はかけたくないな…」「手芸は得意だから、自分だけでもどうにかなりそう!」
そんな時には、独学で刺繍をマスターするのもいいですね♪
実は、刺繍作家として活躍している人の中には独学で刺繍を極めてきた人もいます!
ここでは、刺繍を独学でマスターする時のポイントを紹介します。
好きこそ物の上手なれ
この言葉にもある通り、上達する一番のコツは好きで居続けることです。
せっかく教室や通信講座を受けても、やっているうちに飽きてしまったり嫌いになってしまっては上達には繋がりません。
大切なのは、好き!楽しい!という気持ちも大切にして、自分のペースで刺繍を続けていくことです。
興味がある人は、「私はなぜこんなことをするの? 心理学的防御のメカニズムと生活を形成する隠された機能」(”Why Do I Do That?: Psychological Defense Mechanisms and the Hidden Ways They Shape Our Lives”)著者の、臨床心理学者のジョセフ・バーゴ博士の言葉を読んでみましょう。
仕事を成功させるという観点ですが、趣味を上達させることにも共通した内容です。
(前略)成功するためには、熱中できる、そしてあなたにとって意味のあることに取り組むことが大切です。
(中略)実際に自分が好きなこと、自分に意味のあることに没頭し、常に野心を持って行動し続けている人こそが実際に成功を収めている傾向があると私は思います。
引用:Business Insider Japan 仕事で成功している人には特徴があった
たくさんの時間を費やす
先ほどの「自分のペースを守る」という言葉とは矛盾して聞こえるかもしれませんが、独学で何かを極めるにはやはり時間がかかります。
効率を重視してしまうと独学の場合は上達しません。
常に針と糸を持って作業をしなさい!ということではありません。
移動時間や空いている時間に、頭の中で刺繍のイメージトレーニングをしてみましょう。
刺繍と向き合う時間が長ければ長いほど、刺繍が生活の一部となり、必然的に作業時間も長くなります。
同じステッチや図案を繰り返す
これは皆さんも想像できるかもしれませんが、技術を上達させる確実な方法です。
簡単な図案をひたすら何度も繰り返して刺すことで、毎回どんどんステッチを綺麗に仕上げられるようになります。
ポイントは同じ図案を使うというところです!
繰り返すことで、段々とステッチの力加減やカーブなどでの綺麗に刺すコツをつかむことができます。
最初は上手くいかなかった図案でも、諦めずに何度も挑戦してみましょう!
繰り返しで使う図案としてはアルファベットがオススメです。
直線・曲線と色々なラインが集約されているからです。
そんなのつまらない!という人は、好きな作家さんの図案をひたすら刺してもいいですね♪
刺繍 本で基礎は身につくの?
独学で上達するコツについては紹介してきましたが、そんな時にも刺繍の本は必需品です。
ここでは、刺繍を本から学ぶ方法をオススメ書籍と合わせて紹介していきます。
とにかく多くのステッチが載っている一冊です。
この中でもまずは基本のステッチをひたすら繰り返してみましょう。
そうすることで、ステッチの知識は間違いなく習得できますし、刺したい図案にどのステッチが合うかを考える時の「辞書」としても役立ちます。
いきなり全てのステッチを刺せるようになる必要はありません!
まずは、ステッチによって線の表情が変わるという事をしっかりと理解しましょう。
実は、この掲載されているステッチの数がポイントで、「こんなステッチもあるんだ〜」と記憶の片隅に留めておくだけでも作品のクオリティーがぐっとあがります。
刺繍が上手くなっても、ついつい作品をつくる時は同じようなステッチばかりを使いがちです。
ステッチを多く知れば知るほど、素敵な作品をつくるための武器になります。
この本はとにかくステッチ行程の写真が見やすいです!
いざ刺す時もとても参考になります。
基本のステッチや道具・材料の扱い方は、色々な本に同じような事が載っています。
でも、この本はそれ以外にも、刺し始めや刺し終わりの処理の仕方や、線が曲がる時に角にきたらどうしたらよいか等、自分一人ではなかなか解決できない細かいポイントまで解説されています。
ステッチがいくら上達しても、こういったポイントを押さえておかないといつまでたっても「自己流」から卒業できません。
刺し始めや刺し終わり、角の処理は作品を綺麗に仕上げる重要なポイントです。
ステッチをマスターした次の一歩として、この本の内容をマスターすることをオススメします。
他の本にはあまり載っていないポイントが載っているので、教科書としては抜群です!
この本も紹介されている全てのステッチに関して、刺し始めと刺し終わりの処理方法が載っています。
図案を写すときの注意点や、糸端や玉留めについても複数ページに渡り解説されています。
クロスステッチやリボン刺繍ビーズ刺繍も、基本の刺し方やポイントが多少載っているので、部分的に作品に取り入れることもできます。
簡単な雑貨レシピも載っているので、一通りの技術をマスターしたら試してみてもいいですね!
この本のオススメポイントは、紹介されている図案において、どの部分から刺し始めればいいかが解説されていることです。
図案のどこから刺し始めるかは、作品の仕上がりに影響します。
どこから刺し始めれば綺麗に見えるかを理解しましょう。
これは刺繍を始めたばかりだと自己流ではわからないことです。
適当なところから始めると、段々刺しづらくなってきたりします。
この本に紹介されている全ての図案の刺し始めを理解すると、段々どこから始めればいいかがわかってきます。
今回は、刺繍の基本を学ぶ時のオススメ3冊を紹介しましたが、この他にもたくさんの刺繍の基本に関する本が出版されています。
内容はもちろん大事ですが、内容がいい本が何冊か合って迷った時は、装丁デザインなど全体のデザインテイストが好みに合う本を買うのも大切です。
紹介されている図案や載っている写真・イラストが気にいった本を買うのもいいですね。
素敵な装丁の本って、持っているだけでもワクワクしますよね♪
練習用の図案も、好きなデザインテイストなのに越したことはありません。
是非、ずっと付き合っていけるお気に入りの教科書を見つけましょう!
今回のまとめ
今回は、刺繍の通信講座にはどんなものがあるのか、独学で刺繍を楽しむ方法、本で刺繍の基礎を学ぶポイントについて紹介してきました。
刺繍が上手くなる方法は色々あって、人それぞれどの方法が合うかは異なります。
教室に通って効率よく上達したい人、通信講座で自宅に居ながら着実に上達したい人、本などを読みながら自分のペースでリラックスしながら上達したい人…
どの方法も間違いではありませんし、素敵な方法です。
どうぞ皆さんも自分に合った上達方法を見つけてください。
そして、楽しみながら刺繍スキルをレベルアップしていきましょう♪
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