この記事では、刺繍展やその他イベントについて、内容や楽しむポイントを合わせて紹介していきます。
最近はSNSの流行に伴って、スマートフォンやパソコンでもたくさんの刺繍作品を見ることができます。
通勤途中は空いた時間に、素敵な刺繍を見ると色々アイデアが膨らんできますよね。
でももう一つ、刺繍作品を一度にたくさん見る方法があります。
それは、刺繍の展示会やイベントです。
あなたのご自宅の近くでやっていたら、絶対見に行ってください!
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刺繍の展示会は?どういうものがある?
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刺繍展とは、読んでそのまま「刺繍作品を展示・販売しているところ」です。
ここでは、刺繍展とは実際どんなところなのかを紹介していきます。
常設展示というよりも、期間限定の企画展示であることがほとんどです。
最近では、駅や商業施設内でのポップアップストア形式での展示もあります。
刺繍展は、主催者によって特徴が分かれます。
- 百貨店やギャラリー主催の刺繍展
- 各種刺繍協会主催の刺繍展
- 個人の教室が主催する刺繍展
それぞれ特徴を説明していきます。
百貨店やギャラリー主催の刺繍展
百貨店やギャラリーが展示、販売目的で主催する展示会です。
もちろん見に行くだけでも構いませんが、主催者側の一番も目的は作品を販売することです。
なので、展示される作品は有名刺繍作家もしくはアンティーク作品やオートクチュール作品のことが多いです。
海外の作品を展示することもあります。
各種刺繍協会主催の刺繍展
各協会が、会員の作品を発表する目的で開催する展示会です。
例えば「戸塚刺しゅう協会」では、定期的に全国で展示会をしています。
戸塚刺しゅうでは全国の会員が刺した作品をそれぞれの地元で発表する目的で、大手百貨店などを中心に「戸塚刺しゅう展」を開催しています。
全国約60箇所で平均して毎年1回展示会を開催しています。
(中略)
やっぱりモニターでは刺しゅうの魅力のすべてはご紹介できません。とにかく間近で本物を見ていただければ、きっとその魅力がわかっていただけると思います。
引用:戸塚刺しゅう協会 展示会
このように、大きな協会だと全国に会員がいるため、展示会も全国で開催されます。
もちろん販売をすることもありますが、基本的には純粋に会員の作品のお披露目の場となっています。
個人が主催する刺繍展
個人が、小さめのギャラリーやホール等を借りて開催する刺繍展です。
これが一番身近な刺繍展です。
その人自身の作品、もしくは指導している教室の生徒の作品発表の場となります。
作品のほとんどは展示品兼販売品となり、比較的安価で作品を購入することができます。
来客者も通りがかりの人や、出展者の家族・友人等が中心となり、アットホームな雰囲気です。
このように、一言に刺繍展といっても規模や雰囲気は色々あります。
あなたの身近なところでも調べてみると、きっといくつかの刺繍展が見つかるはずです。
興味がある場合は是非調べてみてください。
世界にはたくさんの刺繍博物館があります。
それらでも貴重な刺繍を鑑賞することができます。
刺繍博物館・韓国(ソウル)
XQ刺繍博物館・ベトナム(フエ)
Textile Museum・スイス(ザンクト・ガレン)
装飾芸術協会博物館・フランス(パリ)
例に挙げた博物館はほんの一例です。
世界には独自の進化を遂げた刺繍文化が数多くあります。
それらの作品を見る機会はとても貴重です。
チャンスがあれば是非見に行ってください!
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刺繍展!楽しみ方のポイントとは?
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刺繍好きなら一度は行ってみたい刺繍展ですが、一体どんな内容でどんな風に楽しめばよいのでしょうか?
ここでは、楽しみ方のポイントについて紹介していきます。
先ほどは刺繍展の種類について説明してきましたが、楽しむポイントも刺繍展の種類によって少し異なります。
上でも説明した3種類の刺繍展それぞれで説明していきます。
百貨店やギャラリー主催の刺繍展 楽しみ方は?
主催者の規模が大きいので、「目玉」となる作品があることが多いです。
歴史的に貴重な作品や高価な作品、他では未公開の作品などです。
こういった作品をみる機会はあまりないので、チャンスがあれば是非足を運んでみましょう。
自分の製作活動に生かすというよりも、純粋に作品を鑑賞することを楽しみましょう。
作品集やパンフレットが販売されていたら購入してみてもいいですね。
図案や技術は真似できなくても、色味やデザイン構成は参考になります。
各種刺繍協会主催の刺繍展 楽しみ方は?
こちらの刺繍展は様々なレベルの作品が展示されていることが特徴です。
師範級の作品から、協会主催のセミナー生徒の作品も展示されます。
また、作品の形態も様々でバリエーション豊かなのも特徴です。
楽しみ方のポイントとしては、自分ならどんな風に刺繍するかな?と考えながら鑑賞することです。
そうすると、自分の作品に新しいテイストを加えることもできますし、今まで思いつかなかったようなアイデアも浮かんできます。
個人が主催する刺繍展 楽しみ方は?
こちらは小規模ではありますが、指導する人のデザインテイストや技術が強く出てくるので、内容の濃い展示が多いです。
刺繍技法も限定的だったり、デザインテイストもその人の趣向がはっきりしています。
展示されている作品は比較的安価で購入できます。
自分の制作活動の参考にするというよりも、可愛くて素敵な刺繍作品を物色する楽しみ方があります。
また、作家さんと直接話しやすいことも特徴なので、製作秘話やコンセプトについても聞くことができます。
このように、展示会規模によって楽しみ方は色々です。
自分の好きな刺繍をたくさん見て回るのもいいですし、あえて自分が刺さないような刺繍展を見るのも参考になります。
どのタイプの刺繍展でも共通して言えることは、刺繍作品そのものを間近でみることの重要性です。
SNSなどではどうしても作品を素敵に見せるために、作品の一部のみを撮影したり、写真を加工してあることもあります。
作品の実物を見ることで、ステッチの質感や細かい仕上げもわかります。
是非みなさんも作品のディテールをじっくり見に行ってみてください。
刺繍イベントって?どんな感じ?
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刺繍の展示会については色々とご紹介してきましたが、展示会とはまた違った魅力があるのが刺繍イベントです。
ここでは、刺繍イベントとはどんなことをするのか、またその魅力について紹介していきます。
刺繍イベントも展示会と同じく規模や内容は様々です。
ほとんどのイベントが下の3種類に分類できます。
- 大きな会場で行う大規模イベント
- ワークショップ型イベント
- 刺繍作家のトークイベント
では、それぞれ例を挙げて説明していきます。
大きな会場で行う大規模イベントとは?
催事場などを借りて年に何度か開催される大型イベントです。
有料な場合がほとんどですが、展示内容も豊富で1日楽しめます。
様々な団体がブースを設けて、特徴のある展示やワークショップを行います。
国内で有名なのが、東京キルト&ステッチショーです。
全国数ヶ所で毎年開催されるため、たくさんの人が来場します。
ちなみに、2018年度の展示内容は以下の通りです。
Stitch
- 人気作家刺しゅうの技
実力派作家の10人の技と芸術をご覧ください
- 旅する刺しゅうの世界
今の刺しゅう人気を代表する作家が「旅する刺しゅう」をテーマに集まりました
- 世界の刺しゅう
世界中にある刺しゅうの中から、地域の特徴を生かした魅力あふれる作品のを展開します
- 魅惑の立体刺しゅう
- 女子美術大学コレクション 他
…and
- キルト&ステッチコンテスト2018 入賞・入選作品展
- シンボルキルト2018
来場者参加のブロックづくり。2018年のシンボルキルトブロックは「立体のボータイ」完成したシンボルキルト2017
- グループサークル展示
キルトと刺しゅう、さまざまなグループによる作品展示とミニ講習会
- 美しい手描き文字の世界~日本手芸普及協会カリグラフィー部門作品展
額装作品30点を中心に、体験コーナーやマーケットブースも
- Creator’s Collection in Tokyo
- ファブリックワールド
オーストラリア在住のキルトデザイナー、リネット・アンダーソンさんの布やキルトの展示。期間中ギャラリートークもあり
- Happy Life with Quilt&Stitch
キルトと刺しゅうのミニ額展示
Workshop
- 刺しゅう「葉っぱの刺しゅうのブローチ」
簡単なステッチでつくる愛らしいくるみボタンのブローチ
- パッチワークキルト
「インクジェットプリントのクレイジーキルト」クレイジーキルトコレクションで展示されているアンティークのキルトブロックをそのままインクジェットプリントで再現、クレイジーキルトの土台に。あとはステッチで飾り15×15のミニ額に仕上げます
- ミシンキルト「モダンクリスマスのミニ額」
モダンクリスマスをテーマにペーパーファンデーションでつくるミニ額
(以下略)
引用:Quilt & Stitch Show 2018 展示内容
展示内容を見ても分かるように、入場料がかかるだけあって、展示内容も濃くて多岐に渡ります。
プロの作品から学生の作品までを一気に干渉することができ、取り入れたくなるようなアイデアが盛りだくさんです。
参加費は別途かかりますが、ワークショップコーナーも充実しているので、見るだけでは物足りない人も満足できる内容です!
ワークショップ型イベントとは?
先ほどの大規模なイベントと異なり、人数限定で行われる体験型イベントです。
有料であることがほとんどです。
講師の指導を受けながら、参加者それぞれが課題となる作品を作ります。
人気刺繍作家もワークショップイベントを開催することがあります。
作家さんから直接刺繍のコツなどを聞ける機会はなかなかないので、それだけでも参加する価値があります。
例えば、川畑杏奈さんの刺繍ワークショップ 好きな色の糸で作る、猫のオリジナルブローチ(2018年終了)があります。
annas のどうぶつ刺繍』(イーストプレス)の刊行を記念し、
人気刺繍作家川畑杏奈(annas)さんの刺繍ワークショップを開催します。
(中略)
ワークショップでは本書の中から猫の刺繍ブローチを作成。
好きな色の糸を使って、お好みの毛色の猫のブローチがひとつ作れます。
やさしいステッチなので初心者の方でもお気軽にご参加いただけます!
引用:川畑杏奈さん刺繍ワークショップ 好きな色の糸で作る、猫のオリジナルブローチ
人気作家さんの直接指導を受けて自分の作品が作れるなんて、夢のようですよね!
出来上がった作品はもちろん持ち帰ることができるので、今後の製作活動の参考にもできます。
また、最近TVなどでも紹介されていて話題になっているのが刺繍カフェです。
カフェに人々が集まり、お茶を片手に、刺繍を楽しむ刺繍CAFE。
2005年4月からスタートし、東京のカフェを中心に多くの場所で開催してきました。
居心地のよいカフェで、色とりどりの糸やお菓子、かわいいイラストなど、大好きなものを全て集めて過ごす時間は、どんなに楽しいことだろうと、思いつきから始まったイベントでした。
(中略)
イラストがプリントされたキットを使って、自由に刺繍をプラス。
ぬり絵をするように自分だけの刺繍の絵を仕上げます。
基本のステッチを知ることも出来るので、初心者の方でも気軽にご参加頂けます。
各回で、甘いデザートとお茶がセットに。
カフェでお茶を飲みながらゆっくりと刺繍を楽しむというコンセプトは画期的で、とても魅力的ですよね!
自宅で一人黙々と刺繍をするよりも、もっと楽しいこと間違いなしです。
また、刺繍好きのお友達を作る絶好の機会です。
刺繍作家のトークイベントとは?
刺繍作家の書籍販売のタイミングなどでよく開催されるのがトークイベントです。
作品の製作秘話やコンセプトなどを間近で聞くことができます。
いつもパソコンや書籍越しで見ていた作家さんや作品を直接見ることができ、刺繍ファンには堪らないイベントです。
例えば、しごとバー 刺繍大好きナイト(2017年終了)はお酒を飲みながらゲストとトークできるイベントです。
はじめまして、刺繍作家のkanaです。
毎日刺繍をしています。
(中略)
最近は個人でものづくりをしている人がいっぱいで、刺繍もとっても流行っていますね!
(中略)
刺繍が好きな人、手作業が好きな人、可愛いものが好きな人、刺繍が趣味の人、刺繍始めてみたいんだけど…という人も。
楽しく刺繍の話でお酒を飲みましょう!
「この縫い方わからないんです」とか「Yシャツに刺繍したいんですけど」とか「好きな糸のメーカーは?」とか、ご質問があればお答えしますー。
「これ自分で縫ったんです!」と自慢していただくのも大歓迎です!笑
「刺繍で楽しいことやりたいんです!」といった仕事のご相談も大大大歓迎ですー!!!
当日はいくつか作品を持って行こうと思っています。
気になるものがあればその場でお買い上げいただくことも可能です。
刺繍大好きな方々とお話しできるのを楽しみにしています。
引用:日本仕事百景 しごとバー
トークテーマが決まっていないスタイルはとても興味深いですよね。
当日どんな話が聞けるかドキドキします。
こういったトークイベントだと、作家さんのリアルな現状が聞けるので、将来的に刺繍を仕事にしたい人にも魅力的です。
今まで説明してきたイベント形式を複数混ぜたイベントもあります。
例えば、過去にこんなイベントも開催されました。
トーク&ワークショップイベント「アンティーク刺繍の楽しみ方」(2004年終了)は無印良品が主催した店舗内でのイベントです。
『クロスステッチ ノスタルジア』『クロスステッチ フォークロア』(誠文堂新光社)の出版を記念してのトークセッション。本書で作品を制作された下田直子さん、勝屋まゆみさん、DMCジャパン代表の小山田光晴さんを迎え、アンティーク刺繍の魅力や、古い刺繍図案の楽しみ方についてのお話をうかがいます。
本制作時のエピソードや、ゲストの本音が聞けるまたとない機会です。下田直子さん、勝屋まゆみさんプロデュースの刺繍バッグをつくるワークショップも同時開催しますので、あわせてお楽しみください。
引用:無印良品 イベント 【有楽町】トーク&ワークショップイベント「アンティーク刺繍の楽しみ方」
紹介してきたように、展示会同様イベントも、その規模や内容は様々です。
刺繍作業をするのが好きな場合や、実際作りながら分からないところを聞きたい時は、是非ワークショップに参加してみてください。
刺繍作家さんのリアルな話に興味がある場合は、トークイベントに参加することをオススメします。
色々なイベント形式を一気に満喫したい人は、大型イベントに参加してみるとよいでしょう。
みなさんの今知りたい情報や技術はどんなものかを把握して、自分に合ったイベントを見つけてみましょう!
今回のまとめ
![](https://i0.wp.com/handmeid.tokyo/wp-content/uploads/2019/02/e314353cc041a0502b43ab29b6ab30f3_s.jpg?resize=760%2C428&ssl=1)
今回は、刺繍展やその他イベントについて紹介してきました。
書籍や動画を見ながら自宅で一人刺繍を楽しむのもいいですが、今どんな刺繍がトレンドで世界にはどれほどたくさんの刺繍があるか知ってみるのも楽しいですよ!
また、刺繍作家さんと直接会えたり話ができる機会は展示会やイベントの他にはほとんどありません。
貴重なチャンスを無駄にせず、ぜひ気軽な気持ちで展示会やイベントに足を運んでみましょう。
きっと新たな発見がありますよ!
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